Road Qu

それは声のコトダマと楽器のオトダマが織りなす、あたらしい“聴き物語”体験

音楽的朗読ユニットRoad Qu (ロード・クゥ)は、朗読と音楽が融合した、
単なる物語の朗読にBGM演奏を加えただけではない、
新しい物語の体験を演出する事を目指したパフォーマンスユニット。
朗読 × 探求の道( Road of quest )
それが Road Qu です。

2013年5月30日木曜日

善通寺公演に向けて 〜試演〜(少しだけ)

善通寺さんからのご厚意で、本番まで後十日あまりという今日、
上演会場の遍照閣で、試演の形をとった、リハーサルを行いました。
実行委員の方も忙しい中ご覧頂きまして、Road Qu としましては、
身が引き締まる思いで、リハーサルを行いました。

さて。Road Qu に限らず、
ライブ演奏を色々とやっていると、細々としたトラブルに遭う事があります。
特に、電気を使うものは、小さなトラブルは日常的に発生します。
接続ケーブルの接触不良に始まって、コンセントの極性から起きるノイズや、
バッテリー切れ、などですね。

本番で起きるのは凄く怖いので、
リハーサルとか、ゲネプロで発覚すると却って安心出来ます。
今日は実は、ギターのラインにちょっとした不備が発覚したのですが、
マイクで対応して、同時に演奏のやり方を換えて、急遽対応。

実質の試演時間はトラブルの処理で短くなってしまったのですが、
好評価を頂き、
今日のアレンジは、本番でも対処出来るバリエーションのひとつに出来ました。

もちろん本番には、完璧なコンディションで挑みます。

リハーサルも残す所後一回となりました。

2013年5月23日木曜日

善通寺公演に向けて 〜その四〜

書き上がった脚本に、音楽を付けて行くのですが、
最初は、よしかわさんに、普通に声に出して全てを通して読んでもらいながら、
読み方とか、抑揚、それと読みにくい言葉や判りにくい言い回しをチェックしつつ、
山本さんが思いつきで音を乗せてみたりします。
初日のリハーサルは、大体それで終わります。

一週間後の次のリハーサルで、音楽のイメージとか、タイミングを思いついたり、
似た感じの既存の曲を当ててみたりして、試してみます。
楽器もギターと、ルーパーの組み合わせとか、パソコンでのシーケンスやキーボードなど、山本さんが使える楽器を色々試すのですね。

今回は、最初は、パソコンにあるシンセ音源とギターで、
シーケンスやサンプリングを多用した緻密なアレンジを試していました。
話全体の中で、テーマに繋がる場面の重要な曲を決めるのにも、
クラシックギターはもとより、ヴァンゲリスの音源を試しに当ててみたりして、
イメージを固めてゆきました。

で、次のリハーサルでは、又別のイメージを試します。
ほとんど毎回リセットして別のイメージとタイミングを試して、
その中から最後まで残るエッセンスを凝縮するわけですね。

そして、今回の構成は、気がつくとどんどんシンプルになってきました。
善通寺での試演を含むリハーサルは後二回。
音楽は、アコースティックギターと、一部分にルーパーを使う、アドリブ演奏を強く意識したものへと固まってきました。

さて、次週はいよいよ善通寺で主催者関係者だけでの試演です。

2013年5月16日木曜日

善通寺公演に向けて 〜その3〜

善通寺さんより資料を頂いて、物語を書いてゆく事になったのですが、
資料を見ながら、うえまつ@戯作者モードは、まず、どの路線で行こうか悩んだわけです。
様々な人が観においで下さる場なので、あまり尖った話とか、
常識を覆すような喜劇とか、そういうのは、見送りました。
というか、まだそういう高度な話は技量的に書けません。
逆に悲嘆にくれる悲劇というのも、今回のテーマではありえない、と思いましたし、
根が軽いので、そもそもそういう話は書けません。

書けないのばっかりじゃありませんか。
技量的に。

それで結局、空海が辿って来た足跡、というか、偉業の数々に繋がるような話にしました。
幼少の空海=真魚が、後の偉業に数々を成す、その原体験のような物語。
といっても、ファンタジー脳が現実的な話にはさせてくれません。

そんなこんなで、初稿が出来上がったのは2月の18日頃。
内容について、不安な所もあったので、善通寺の担当の方に、
原稿を見ていただきました。

結果はとても好評をいただき、うえまつ@戯作者モードは、
ホッとするやらうれしいやらでした。

その後、一部表記などを修正した第二稿をベースにして、
よしかわさんと山本さんに物語をゆだねます。

初読み合わせは、3月の“虹猫の話”が終わった翌週でした。

2013年5月9日木曜日

善通寺公演に向けて 〜その二〜

私達 Road Qu が、公演内容を決めて行く流れは大体こんな感じです。

主催者からリクエストされる時。
これは、ほぼそのまま決まります。
ただ、お客様にチケットを買っていただくような場合は、
リクエストされた本の出版社、または作者などの著作権を保有する方に問い合わせます。
場合によっては、朗読、講演に使用許可を出していない作品があるので、
そう言う場合は、別の作品を読む事になります。

おまかせ、と言われた時。
これは、テーマに合わせて、いくつか候補作品を主催者と相談します。
ただ、時間内に読み切る長さの丁度良さと、著作権の両方をクリアしようとすると、
どんどん出来る作品が少なくなってしまいます。
長い作品などは、場面を抜粋したものをいくつか繋ぎ合わせる事もありますが、
作者の意志を尊重しようとすると、これもなかなかハードルが高くなってしまいます。

もうひとつは、著作権が既に消失した過去の名作を探し出すという事もします。
宮沢賢治の“注文の多い料理店”がそうですね。
インターネット上の青空文庫は、そういった過去の名作が沢山ありますので、
その中から選ぶ事が多いです。
ただ、これもいざ読むとなると、言葉の言い回しや言葉自体が古くて
判りにくい事もありますので、現代の言葉に置き換えたり、時には説明を入れる事もします。

そして、Road Qu オリジナル。
善通寺公演と昨年の屋島公演がそうです。
これは、内容についておおざっぱな題材を出していただいて、それに沿ってオリジナルの話を書いてしまう。というものです。
上演時間と著作権の問題が一挙に解決します。
ただ、誰もその作品を読んだ事が無いので作品の知名度ゼロ。
面白くなければ、お客様がさっさとお帰りになってしまう。
という言わば諸刃の剣です。
屋島の作品を例にとると、屋島城(やしまのき)という古代の山城の遺跡があるので、
それをテーマにすること。屋島と言えば狸、なのでそれも出したい。
と言うふうに、作品の内容自体のリクエストを受けるわけですね。
今回の善通寺の場合は、
空海の誕生会の催し物の一環なので、空海にまつわる、それも幼少時の話が良いですね。
という流れになりました。

空海にまつわる善通寺公認の資料を頂いて、うえまつ@戯作者モードが、
エディタを立ち上げてうんうんと唸り始めたのは、今年2月に入ってからの事です。

6月9日は総本山善通寺

オリジナル音劇第二弾
“真魚の不思議な一日”

2013年6月9日
総本山善通寺遍照閣2階
入場無料です。
この公演以外にも色々なイベントが盛りだくさんですので、
皆様お誘い合わせの上ぜひおいで下さいませ。

2013年5月2日木曜日

善通寺公演に向けて 〜その始まり〜

来月の善通寺公演 “真魚の不思議な一日” が出来るきっかけは、
よしかわさんの啓示にも似たインスピレーションから始まりました。

2012年6月下旬のことです。
屋島公演“屋島城と狸の伝説”と国分寺での“From Little Life”の
ふたつのライブ公演のプランを進めている頃です。

RoadQuのメンバー間の打ち合わせメールに、よしかわさんよりメッセージがありました。
それは、
『空海のお話を、総本山善通寺で演じるイメージが浮かんだのですが、どうでしょう? 図らずも、善通寺の館長さんにインタビューをする流れになったのですが、よろしければその時にアプローチしてみようと思います』
というようなものでした。

善通寺と言えば地元のとても有名で大きなお寺ですし、ユニットとしては無名で駆け出しのRoadQuに、もしもそんな事が出来るなら願ったり叶ったりな訳で、当然、後のふたりは即OKを出しました。
もちろん、見た事も聞いた事も無いグループを売り込むわけなので、私達は、可能であれば、屋島での自分達のライブを見てもらって、それから決めてもらう事にしました。

当初夏休み中に、前後編の二回公演を予定していた屋島公演は、様々な都合で9月29日一回のみの公演に変更したために、脚本を大幅に書き換える事になり、結果的には、それが幸いして、公演内容は大幅にグレードアップしました。
そのおかげか屋島公演後、その場で2013年6月に行われる“弘法大師御誕生会”での公演が決定したのです。

あまりにあっさり決まってしまったので、ちょっと驚いたりしたのですが、
これは、インスピレーションを逃がさなかった、よしかわさんのおかげ、
あるいは、まさに “仏様のお導き” かもしれない、と思ったわけです。

ちなみに、その時点で私達がどんな話をするかは何も考えていませんでした。