Road Qu

それは声のコトダマと楽器のオトダマが織りなす、あたらしい“聴き物語”体験

音楽的朗読ユニットRoad Qu (ロード・クゥ)は、朗読と音楽が融合した、
単なる物語の朗読にBGM演奏を加えただけではない、
新しい物語の体験を演出する事を目指したパフォーマンスユニット。
朗読 × 探求の道( Road of quest )
それが Road Qu です。

2013年7月11日木曜日

夏の公演は“牡丹灯籠” その三

梅雨明した途端、オーブンの中に入れられたような日々ですが、
皆様、溶けたり蒸発したりせずに無事にお過ごしでしょうか。
Road Qu です。

さて、この夏の怪談公演が、牡丹灯籠に決まるまで、
実は怪談の候補が他にいくつかありました。

タイトルだけで書くと雨月物語の吉備津の釜とか、
小泉八雲の耳無し芳一 などの古典中の古典であったりとか。
あとは怪談と言えば有名な、四谷怪談とか、
番長(じゃなくて番町)更屋敷あたりですね、

で、選定基準は、言葉が難しかったり、意外と短かったり、
逆に長過ぎたり、は除外、というのが今までのやり方。

今回は違います。
登場人物に男しか無いものは除外(耳無し芳一が消えました)。
ほんとに怖いものは除外(吉備津の釜が消えました)。
うっかり手を出して制作側に障りや祟りがあるものは除外。
(四谷怪談は映画や舞台化する前に、おことわりのお参りをしないとマジに怖いそうですよ)
番町(播州、という説も)更屋敷は、有名ですが、お菊さんがお皿数えるだけなので除外。
(正確には、悲しい話なのですが、オチが物足りないのです)

で、軽く決まったのが牡丹灯籠なのですが、
改めて読んでみると話が長い長い。
そんなわけで、有名なとこだけ再構築する事になったわけです。

再編といっても、大幅に物語が変わるわけではありません。
ただ、すこし現代的な解釈になっているかもしれません。
そのあたり、元の話を知っている方も知らない方も、
共に楽しめるひと時に仕上げて参ります。



2013年7月4日木曜日

夏の公演は“牡丹灯籠” その二


このお話“牡丹灯籠”は、元は中国の怪談、牡丹燈記(ぼたんとうき)を元に、落語家の三遊亭園朝が落語の演目として創作したお話で、オリジナルは大変に長く、複数のエピソードが複雑に絡み合う物語です。
(興味のある方は、ウィキペディア青空文庫などで読んでみて下さいね)
とても長くて複雑なので、公演時間には到底収まりません。
原作の言葉も昔の講演をそのまま起こしているので、台本のような形をしています。
そんなわけなので私達は、映画などで有名な(といってもリアルタイムでご存知な方はかなりの年長さんのはず)、お札剥がしの一説を、抜き出して再編、脚色してお披露目することにしました。

さて、その夏の公演 “牡丹灯籠” に向けて私達はリハーサルを重ねていますが、リハーサルに取りかかる前 、実はちょっとだけ不安がありました。

それは
怖い話のはずなのに文章が軽くなってしまって怖くないかも。
怖い話のはずなのに、よしかわさんの声が爽やかすぎるかも。
怖い話のはずなのに、山本さんの音楽が奇麗すぎて怖くないかも。
と言うものです。

朝日の中で新三郎の元へ、華麗なギターの調べに乗って、
爽やかな笑顔と共に訪れるお露さん(幽霊)。

そんな絵面を想像してしまうようなものになると、ちょっと困るわけです。

実際リハーサルを進めて行くと、もちろんそんな心配は無用のものとなりました。
日本の怪談のテイストを残しつつ、音と語りで紡ぐ怖い話をたっぷりとお楽しみ頂ける事と思います。
とは言っても、聞いた後で一人で家へ帰れなくなるほど怖くなる事はありませんので、
皆様、安心しておいで下さい。

現時点で一番怖いのは、うえまつ@ホラー漫画家を目指せるかもしれない
チラシの絵面です。
この渾身のチラシ、怖がられて、一部では裏返しで置かれたりしてます(悲)。